瞑想日記 6日目

午前11時/20分間

聞こえてくる音を感じる場所とそれに反応している場所とが少し離れたところにあるように感じられた。この自動的に反応している部分を、だんだんと小さくしていけたらいいなと思う。自動的に反応することを止めることができれば、どんな反応をするかを自分で選ぶことができる。それは感情から自由になるということだ。しかしそこで疑問に思うのは、すべての反応を一旦停めて自分で選択することは、悪い感情には効果的かもしれないが、何かに感動したり、感謝の気持ちを持ったりするような良い感情にもブレーキがかかってしまうのではないだろうか。マインドフルネスが創造性にはマイナスに働くという話も、このあたりが原因なのかもしれない。

集中はまだ深まっていないが、時折、一瞬だけ意識がギュッと鼻孔に集まるような感覚がある。それが集中できているということなのか、単にまだ眠いだけなのかよくわからない。本には「完全に目を覚ましてから瞑想するように」とあるので、朝の瞑想を始める前にはもっと目を覚ましてから取り組むことにする。

深夜1時/10分間

瞑想用の坐布を取り寄せた。今までは枕を丸めて坐布代わりに使っていたが、専用のものは高さと適度な固さがあって足が痛くなりにくい。足も安定した組み方ができ、姿勢も安定させやすいので、より集中できそうだ。

寝る前で少し眠かったので短めにした。あまり呼吸に集中できたとは思わないが、後半、強い光を斜め上から浴びているような感じがあった。集中が深まったのか、それとも単に寝そうになっていただけか?意識ははっきりしていたと思う。

瞑想日記 5日目

朝9時/20分間

昨夜と同様に「慈しみの言葉」を読むことから始める。手順が一つ増えてめんどくさそうだな、と思っていたが、案外そうでもない。言葉を辿りながら親しい人達の顔を思い浮かべるのは、悲しいような、嬉しいような、でも暖かい気分だ。どれほど強く念じながら読むべきかはよくわからないが、普通に読む速度に合わせて心から念じることにしている。

途中、物音で何度も気を逸らされたが、その度に「気を逸らした自分」を観るようにつとめた。反応というのは、普段あまりに自動的に行っているのでその仕組みがどうなっているのか意識することがない。映画「トゥルーマン・ショー」のように、自意識の壁一枚隔てた裏側では外からの刺激を処理する仕組みが休みなく働いている。壁を壊して、その中で何が行われているかをありのままに見なければならない。

深夜2時/10分間

眠すぎて途中で中断した。

始める前に「慈しみの言葉」を読んでいて、一番最初の段落の、自分へ向けた言葉が一番心から念じられていないことに気づく。それは自分のことはどうでもいいという投げやりな態度や、自分の幸せを追い求めることは自己中心的すぎるのではないか、という疑念があるからだと思う。「慈しみの言葉」を繰り返すだけで、この性質は変わっていくのだろうか。自己否定の根はひどく深くまで根を下ろしていて、簡単に解けるものではないと思う。

瞑想はあまりはかどらなかった。

瞑想日記 4日目

0時/20分間

「マインドフルネス」第九章の「ヴィパッサナーを始める前に」を読んでから瞑想。「慈しみの言葉」などと書くととても宗教臭さを感じるが、実際マインドフルネスは仏教をベースにしているので仕方がない。若干の抵抗感はあるが、まずは本の通りにやってみることにする。「慈しみの言葉」をよく念じること、「気が逸れたことをあるがままに観察してください」という言葉を頭に置きつつ挑戦。

言葉自体には抵抗感はあるが、本に書いてある通りエゴから一旦離れて、穏やかな気持で瞑想に取り組むために「慈しみの言葉」が必要だ、というのは理解できる。正直に言って、第九章を読んだ直後は、本の前半で述べられていた「道徳とはただ教えられたから行うものではなく、それが尊い行いだと自ら理解しているから行うものだ」という説明と矛盾するように感じられて抵抗があったが、実際やってみると確かに以前より落ち着いて集中できたような気がする。

「気が逸れたことをあるがままに観察する」という点については、発見がひとつあった。以前は気が逸れた時は、それに気付き次第なんとか呼吸に意識を戻す、という感じだったが、「気が逸れたことをあるがままに観察」しようとすると、たちどころに「逸れた気」そのものが消えてしまうのだ。これは今までにない、不思議な感じだった。あるときは、今日読んだ漫画のことを思い出して、「思い出した意識」を観察しようとすると、スクリーンから一歩離れてその漫画の場面を見ているように感じて、しかしそれも水に絵の具が溶けるように消えてしまった。

呼吸への集中は依然長く続かない。20分は短く感じるが、もっと集中できるはずだ。

瞑想日記 3日目

午後9時/20分間

自意識というのは、とにかく刺激が大好きなのだなと思う。静かにじっとしていると、たまに聞こえてくる物音がとても気になる。自分の中の子供が「あれは何!?」と叫んで、その刺激に駆け寄っていくかのようだ。あるいは何も聞こえず、何も見えず、何の刺激もないときは、昔の記憶や心配事などを引っ張りだしてきて、自分で刺激を作り出そうとする。自分の心は片時もじっとしていられない小さな子どものようだ。呼吸という最も小さな刺激に集中する訓練をすることは、それより大きな(大抵の)刺激への反応をコントロールできるようになるための訓練をすることなんじゃないかと思う。

まだまだ集中は深まらないが、心地よく、眠くもならずに瞑想することはできた。

瞑想日記 2日目

午前8時/20分間

起きて歯を磨き、朝食の前に瞑想。仕事に行く前に支度以外のことをするなんて何年ぶりだろう。半跏趺坐は当面組めそうにない。足のストレッチが必要だ。起きたばかりでも、心はあちこちに飛び回る。朝に聞こえてくる物音は意外と多く、なかなか集中できない。耳からの刺激に対してうるさいなと思うのは、自分の思い通りにならないことにいらだちを感じているのだなと思う。集中度は昨夜と同程度だったが、20分は比較的早く感じた。「呼吸をしている体」を、体の中にいながら離れた所から見ている感覚が少しあった。自然に息をしながら呼吸を観察することはまだ難しい。背筋を伸ばして座り、姿勢が崩れているのに気づいては直し、の繰り返し。

午後9時/10分間

帰りの電車でたまたま座れたので、試しに電車の中で瞑想ができるかどうか試してみた。当然だが物音や人の話し声が多く、そんな中で自分の呼吸だけに集中するのはとても難しい。全く集中できないわけではなかったが、当分は静かな場所でないと無理そうだ。

午前2時/20分間

寝る前に挑戦。眠気と、おそらく眠気から来る下半身のむずむずした感じが強く、ほとんど集中できなかった。非常に心地が悪く、何度も瞑想を中断しかけた。残り5分くらいが一番つらかった。集中できなそうなときに無理して瞑想するのはやめよう。

瞑想日記 1日目

はじめに

数年前から気が向いたときだけ、せいぜい週1程度で瞑想には取り組んでいたが、あまり身になっている感じはしなかった。最近なんとなく混乱しているな、と感じた時、20分くらい静かに座ると少し頭がすっきりするので、ごくたまに瞑想してみるという程度のものだった。

先日「マインドフルネス 気づきの瞑想」という本を読み始めて、この本で紹介されているヴィパッサナー瞑想という瞑想方法をしばらく試してみることにした。数日やってみたところ、悟りを得るまではないにしても色々気づいたことがあったので、その記録を残していこうと思う。この日記はノートに書いたものを後から清書している。

1日目 午後2時/20分間

「マインドフルネス」を第五章(実践)まで読み、ノートにまとめた後で実際にやってみた。瞑想用のタイマーとしては「雲堂」という無料のアプリがあるのでこれを使っている。鼻孔を通る息、吸った後と吐いた後、お腹の動きに集中してみる。雑念がよぎっては呼吸に意識を戻す、の繰り返し。物音に注意を逸らされつつ、聴覚の刺激に心が直接に反応していることがかろうじてわかった。昔なにかで読んだ、自分の受ける刺激と、それに対する自分の反応とを完全に分けることのできる人の話を思い出し、瞑想が目指しているのはそのあたりなのかな、と考える。また意識を呼吸に戻す。後半は腹式呼吸を意識し過ぎたせいか、息をするのが苦しかった。自分の呼吸を制御しようとしてはいけないのだが、それはこの時点ではまだ本に出てきていなかった。呼吸を意識しすぎると、本来の自然な呼吸もままならなくなる。でもなんとか20分は姿勢を保たなければ、と思っていたところで終了の鐘が鳴った。後半は心地よさも時々はあったが、意識を失って寝てしまいそうにもなり、法界定印に組んだ手の親指同士がつくことも度々あった。また猫背になったり、肩がひどく緊張しがちだった。

1日目 午前2時/10分間

本の内容が今まで考えていた疑問にいちいち答えるもので面白く、寝る前にもう一度試してみたくなった。姿勢の悪さ、意図的過ぎる呼吸を直してみることにする。足がかたくて半跏趺坐(はんかふざ:ふくらはぎの上に交互に足をのせる坐禅の組み方)もできないが、なんとか近い形にして、布団の上で枕を丸めて坐布代わりにして座った。なるべく背筋がまっすぐになるように座り、姿勢が崩れていることに気付き次第姿勢を戻した。猫背は眠気を誘いやすいそうだ。呼吸ははじめ腹式呼吸を意識し過ぎていたが、最後には自然な(浅い)呼吸になった。前回こわばっていた肩の力が抜けたのは、呼吸が自然だったからだと思う。時間が経つにつれ、心があちこち飛び回ったので、本にある通りその都度呼吸に、特に鼻孔に集中を戻すようにした。瞑想が深まれば、つまり集中力が深まれば、心が飛び回ることが減り、呼吸はゆっくりになり、より明確に呼吸を観察できるようになるという。当面の目標はそこになるだろう。終わると右足が痛かった。眠気は感じなかった。第7章の「心で何をするか」は、実践の上でとても参考になりそう。本に特に指示がなかったので、手を法界定印に組むのはやめた。

35mmフィルムを長巻から自分で作ってみた

単品のモノクロフィルムは高いので、ランニングコストを下げるために長巻から自分でフィルムを詰めてみることにしました。昔は写真を本腰入れてやる人は皆そうしていたようですが、周りに詳しい人もおらず道具もなかったので、自分で調べてなんとか作った過程を残しておきます。

なお、フィルムを詰めるためにフィルムローダーというものが必要になりますが、Lloyd’sのFilm Loaderが安かったです(それでも造りの割に5千円は高いけど)。APなどのものは新品だと1万円以上します。中古でよければネットオークションをあたるのも良いかもしれません。

必要なもの

  • 使用済みのフィルムカートリッジ(または市販の空カートリッジ)
  • 長巻のフィルム
  • フィルムローダー(ディロールともいう)
  • ダークバッグまたは暗室
  • テープ
  • はさみ

下準備

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フィルムローダーに長巻のフィルムを詰めます。この作業は全暗で行わなければならないので、ダークバッグか暗室が必要になります。
今回は通販で安く手に入ったFOMAのFOMAPAN 400を詰めてみます。1巻で7千円ちょっと、1巻からは19本ほどが作れるそうですから、1本あたり400円弱になる計算です。
この長巻は缶に入っていてテープで密封されており、さらにフィルムは黒い袋に入っています。
フィルムローダーに長巻を収める作業は手探りで行うことになるので、まずフィルムローダーを開けて内部の構造を確認しておくといいでしょう。単に長巻をフィルムローダーに収めるだけでなく、フィルムの端をフィルムローダーの排出口から少しだけ出しておく必要があります。フィルムの端切れなどを使って目をつぶって練習しておくといいかもしれません(練習しました)。Lloyd’sのフィルムローダーは、遮光のためにウレタン素材が排出口に貼り付けられていて、ここにフィルムを通すのに少々コツがいります。しかしAPのものなどよりは比較的単純な構造なので、それほど難しくはないと思います。

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準備ができたら、まず長巻の缶のテープを剥がし、その缶とフィルムローダーをダークバッグに入れて閉じます。ダークバッグの中で缶を開け、袋から取り出しましょう。うまくいっていることを祈りながら手探りで長巻をフィルムローダーに収めます。ちゃんと収まったと確信したらしっかり蓋を閉じ、ダークバッグから取り出します。これで準備完了です。

フィルムを詰める

フィルムを詰める方法はいろいろあると思います。フィルム装填用の空のカートリッジに詰めるのも一つの手ですが、空のカートリッジが手に入らなかったので、フィルムの自家現像でできた使用済みのフィルムカートリッジを再利用することにしました。なおYoutubeで”bulk film loading”で検索すると、フィルム装填の実演映像がたくさん出てきて参考になります。これを踏まえて以下の方法でやってみました。

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フィルムの幅の2倍程度の長さにテープを切ります。

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これを長巻側のフィルムの裏側から半分だけ貼り付けます。

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使用済みフィルムの端をテープの反対に置きます。

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テープを折り返して表に巻きつけます。左側の端は一度折り返してタブ状にしておきます。こうしておくと現像でリールにフィルムを巻きつける時にテープを簡単に剥がせるので、ダークバッグの中ではさみを使う必要がなくなります。手探りではさみを使うの、緊張するんですよね。

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カートリッジをフィルムローダーに収めます。フィルムを少しカートリッジに押し込んでおくとやりやすいです。

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蓋を閉じ、ハンドルを挿入します。カートリッジの芯とハンドルの芯がかみ合うまで角度を変えつつ押し込む必要があります。このくらいまでハンドルが入ったらOKです。

フィルムローダーに貼ってあるシールに回転数と撮影枚数の表があるので、これに従ってカートリッジに入れたい分だけハンドルを回します。今回は10枚分だけ入れてみることにしたので13回転。36枚撮りにしたい場合は30回転ですね。

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巻き終わったらハンドルを抜き、カートリッジを出して適当な長さでフィルムを切り離します。終端をはさみでカメラのスプールに巻き取りやすい形に整えて完成です。ついでにフィルム名を書いたテープを貼っておきました。

撮影後現像してみた

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長巻をフィルムローダーに収めるのが少し難しいですが、それ以外はわりと簡単でした。現像してみたフィルムも特に問題なさそうです。FOMAPAN 400は粒状感は高いですがトーンの豊かさは悪くないと思います。たくさん使ってフィルムローダーの元を取らねば。

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なおLloyd’sのフィルムローダーのハンドルですが、買ったままだと軸の先端のエッジが立っていて非常に差し込みづらいので、やすりで面取りしておくと使いやすくなります。あとネジの部分は回りづらいので油差しておくといいです。このへんの雑な作りがアメリカンテイストです。

キャンソンの印画紙比較(日本写真学院ファインアートプリント勉強会)

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以前モノクロ写真クラスを受講した日本写真学院で、今度はファインアートプリント勉強会というのを受講してきました。岡嶋和幸先生指導のもと、フランスの印画紙メーカー「キャンソン」の扱っている全13種類の印画紙に、自分の写真をプリントできるというもの。

日本写真学院の実習室(The Bright Room)の環境としては、Mac mini+Eizoの外部モニタ、Adobeの最新ソフト一通り、プリンターはそれぞれのMacにEpsonのPX-5Vという顔料インクのプリンターが接続されており、全員が同時にプリントできるようになっています。ちなみにこの部屋は日本写真学院の特定のクラスを修了すると時間制でレンタルできるようになるそうです。学院では市場価格よりかなり安く、かつ1枚単位で印画紙をプリント代込みで購入できるそうで、最終出力の際に利用するのがおすすめとのこと。

他の参加者の皆さんは一枚の写真のみでプリントされていましたが、僕はいろんな種類のプリント結果を見たかったので、欲張りにもカラー2枚+モノクロ2枚の計4枚の写真をレイアウトしてプリントしてみました。プリンターの操作は設定項目が多く混乱しがちなものですが、事前に岡嶋先生がまとめておいて下さった設定表に従って一枚ごとに設定していけばいいので簡単でした。プリント実行の際に必要になるものの1つにICCプロファイルというものがあり、これは特定の紙とプリンターに合わせた設定(紙の白さ、階調性、プリンターの特性など)がまとめられているファイルで、メーカーのサイトからダウンロードしてプリント時に利用するそうです。ただしモノクロプリントにはICCプロファイルは使わず、プリンターによるカラーマッチングを使用することをメーカーは推奨しているということでした。

以下に実際のプリントと雑感を。
(それぞれ上段の画像はクリックして拡大できます)

光沢系

光沢系の紙の違いはマット系に比べると微妙な差ですが、それぞれの紙を見比べるとやはり白さや質感が違うのがわかります。

フォト・グロス・プレミアム・RC (Photo Gloss Premium RC)

Canson, Paper, Photo Gloss Premium RC
Canson, Paper, Photo Gloss Premium RC-2

フォト・ハイグロス・プレミアム・RC (Photo Hi Gloss Premium RC)

Canson, Paper, Photo HiGloss Premium RC
Canson, Paper, Photo HiGloss Premium RC-2

その名の通り光沢感の高い2種。今回の比較した紙の中ではフォト・ハイグロス・プレミアム・RCが一番光沢感が高いものの、フォト・グロス・プレミアム・RCと比べるとその差は微妙。ハイグロスの方がやや暖色寄りの白。

フォト・ラスター・プレミアム・RC (Photo Lustre Premium RC)

Canson, Paper, Photo Lustre Premium RC
Canson, Paper, Photo Lustre Premium RC-2

フォト・サテン・プレミアム・RC (Photo Satin Premium RC)

Canson, Paper, Photo Satin Premium RC
Canson, Paper, Photo Satin Premium RC-2

バライタ・フォトグラフィック (Baryta Photographique)

Bryta Photographique, Canson, Paper
Bryta Photographique, Canson, Paper-2

プラチナ・ファイバー・ラグ (Platine Fibre Rag)

Canson, Paper, Platine Fibre Rag
Canson, Paper, Platine Fibre Rag-2

絹目調の印画紙4種。ラスターとサテンはかなり似ているが微妙にテクスチャが異なり、サテンの方がテクスチャがやや細かい。バライタ・フォトグラフィックは独特の自然で落ち着いた風合いが感じられ、高級感がある。今回一番のお気に入り。プラチナ・ファイバー・ラグは艶のあるマット紙のようでかなり凹凸が大きく、紙質が写真そのものの印象を大きく変えそうです。

マット系

光沢系に比べ、マット系にはテクスチャの強い、個性的な紙が多いです。個性的な紙に負けない写真を選ぶのはなかなか難しく、下手すると写真ではなく紙ばかり見られる… ということになってしまうようです。光沢系の紙に比べ、総じて暖色系。

マット系の紙は厚みがあるため裁断時の紙粉がつきやすく、プリントの際には紙粉をよく払うなど気をつけて取り扱わなければいけません。また染料インクのプリンターでプリントすると滲んでしまうので、顔料インクのプリンターを使用する必要があります。

ラグ・フォトグラフィック (Rag Photographique)

Canson, Paper, Rag Photographique
Canson, Paper, Rag Photographique-2

マット系の中では一番きめが細かく扱いやすそうな紙。無個性というわけではなく高級感もあるし、光沢系のような反射がないのでリアリティも感じられる。マット系では一番好きな質感。

BFKリーブス (BFK Rives)

BFK Rives, Canson, Paper
BFK Rives, Canson, Paper-2

エディション エッチング・ラグ (Edition Etching Rag)

Canson, Edition Etching Rag, Paper
Canson, Edition Etching Rag, Paper-2

アルシュ ベラン ミュージアム・ラグ (Arches Velin Museum Rag)

Arches Velin Museum Rag, Canson, Paper
Arches Velin Museum Rag, Canson, Paper-2

アルシュ アクアレル・ラグ (Arches Aquarelle Rag)

Arches Aquarelle Rag, Canson, Paper
Arches Aquarelle Rag, Canson, Paper-2

モンバル アクアレル (Montval Aquarelle)

Canson, Montval Aquarelle, Paper
Canson, Montval Aquarelle, Paper-2

それぞれ質感の異なるマット紙5種。アルシュ アクアレル・ラグは凹凸が大きく一目でわかるが、それ以外の差は微妙なところ。しかしいずれもはっきりとわかる質感があるので、細部を表現したいような写真には向かないようです。ちなみにエディション エッチング・ラグは綿100%。

フォトアート HD キャンバス (Photoart HD Canvas)

Canson, Paper, Photoart HD Canvas
Canson, Paper, Photoart HD Canvas-2

なんと布製の印画紙。裏地はキャンバスそのもの。プリント面もはっきりと布とわかる質感。一体どんな写真ならこんな個性的な紙に負けないのでしょうか。

総評

カラープロファイルについてすらイマイチよくわかってないまま参加した今回の勉強会でしたが、教室の雰囲気もよく、プリントもきれいなものが得られて満足でした。今すぐ何かに役立つということはないにしろ、展示などで最終出力先を選ぶ際には今回作成したプリントが非常に参考になると思います。紙にはそれぞれ特性があり、表現できるトーンの幅も異なるため、どんな紙に出力するかを考えた上で写真のデータを作っていくのが大事、という先生のお話は特によく覚えておこうと思いました。

正直なところ、画面では紙の良さはほとんど伝わらないと思うので、興味を持たれた方はヨドバシカメラなんかの店頭に置いてあるサンプルを確かめてみるのがいいでしょう。ただ、ああいったサンプルは全部同じ写真でプリントされておらず、比べにくいのが難点ですね。

なおキャンソンではほとんどの種類を網羅したお試しセット「ディスカバリーパック」というのもあるそうなので、こちらを買って自分でプリントしてみるのも一つの手です。マット紙には顔料インクを使えるプリンターを用意する必要がありますが。

輸入代理店のキャンソン製印画紙一覧ページはこちら

デジカメをフィルムスキャナ代わりに使う

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ライトボックスとデジカメを組み合わせるとフィルムスキャナ代わりになるんですが、いくつか問題があります。

  1. ライトボックスにネガを置いただけだとフィルムの平坦性が保てない
  2. カメラの最短撮影距離が長すぎて十分フィルムに近づけない
  3. マクロ撮影ではピント面が浅いのでピントが合わせづらい

こういう場合、ニコンのスライドコピーアダプタを使うのがベストなんでしょうけど、僕のカメラとは機種が違うのでマウントが合いません。わざわざこのためにマウントアダプターを買うのもちょっと。

要はレンズ前面からフィルム面までの距離を一定に保てて、かつフィルム面が平坦にできる筒があればいいわけです。これには綿棒のケースがぴったりです。

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綿棒のケースの底に、フィルムのコマよりわずかに大きい穴を開け、蓋の方には使用するレンズのフード取り付け部の形に合わせた穴を開けます。どっちがどっちでもいいんですけど。

綿棒のケースの底はフチが出っ張っています。フィルムに接する面は平らにしたいので、穴を開ける時に作った型紙を貼り付けました。これで平坦性の確保と撮影距離の固定ができるようになりました。

最短撮影距離の短縮にはカメラとレンズの間に挟むマクロエクステンションチューブを使いました。ただこれを使うと周辺部が流れがちになってしまうので、なるべく絞って周辺の画質を保つ必要があります。

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母の日記帳で遊ぶ姪。

モノが綿棒のケースなだけに安定性はイマイチで、あまり遅いシャッタースピードを選べません。大きなデジイチでの使用には向かないでしょう。手持ちの機材でのトリミング後の解像度は約2800×1900ピクセルで、トーンもそれなりに出ているので、ある程度は引き伸ばしにも耐えられそうです。モノクロフィルムはモノクロ印画紙にプリントするのがベストでしょうけど、家のプリンタでもプリントできると便利ですね。

データ取り込み後はトリミング、トーンの修正、ゴミ除去とけっこうやらなければいけないことは多いですが、気楽に好きなコマを自分のペースで読み込んで調整できるのはいいところかと思います。それにしてもネガのラチチュードは本当に広い。デジタルでは情報が無くなってしまう真っ白/真っ黒なところもちゃんとトーンが残っているので、調整の自由度がとても高いです。

使用機材:
Fujifilm X-T1
Fujinon XF 35mm f/1.4
マクロエクステンションチューブ MCEX-11
ハクバ ライトビュアー5700
綿棒のケース
カッターナイフ
定規
図工の時間気分

フィルムの自家現像に挑戦してみた

先月、日本写真学院でモノクロ写真クラスを受講して、フィルムの現像から引き伸ばし機を使ったプリントまでモノクロ写真の一通りの行程を習いました。で、プリントには暗室が要るのでおうちで気軽にってわけにはいかないのですが、フィルムの現像は必要なものさえあれば比較的簡単にできるようなので挑戦してみました。

現像にあたっては、モノクロ写真クラスでとったメモと、Silversaltのフィルムの現像手順を参考にしました。

概要

  1. 現像タンクにフィルムを巻いたリールを入れる
  2. 薬品やら水やらをタンクに入れたり出したりする
  3. 乾かす

簡単に言うとこれだけです。モノクロフィルムの現像は、カラーフィルムの現像に比べてかなり融通が効くらしく、ある程度いいかげんでも現像はできるようです。

用意したもの

現像用品

  • 現像タンク
  • リール
  • 計量カップ
  • メスシリンダー
  • 現像薬品の保存用ボトルx2
  • 現像液(Kodak T-MAX現像液)
  • 定着液(ILFORD RAPID FIXER)
  • フィルムピッカー
  • フィルムクリップx2セット
  • フォトスポンジ
  • 温度計
  • ダークバッグ(チェンジバッグともいう)
  • 時計
  • はさみ
  • 撮影済のフィルム
  • ネガシート

現像薬品は粉から作るタイプもあるのですが、調合がめんどくさそうなので原液タイプのものを購入しました。

現像タンクはパターソンのスーパーシステム4現像タンクで、リール2個つきです。ただ液温管理には熱伝導率のいい金属製のタンクの方が有利らしい。

現像用品のほとんどはSilversaltが良心的な値段だったのでこちらで購入。現像薬品とフォトスポンジだけヨドバシで購入。

現像手順

前日の夜に現像薬品をボトルに調合しておきました(その方が安定するそうなので)。現像液、定着液どちらも5倍に希釈して使います。600mlずつ作りたかったので、原液120ml+水480mlで使用液を作成。

停止液の代わりに水を使用しました。また、現像前の前浴、2回目の定着処理、水滴防止処理を省略しました。どれも必要性を感じてから組み込めばよさそうなので。

Kodakの現像データによれば、T-MAX現像液を使用してTRI-X 400フィルムを液温24度で現像する際の時間は4分45秒ということなので、これを現像時間の目安とします。

事前準備

ダークバッグ

  • 現像薬品を調合しておく
  • 風呂場を温めておく(冬なので)
  • 液温調整用のお湯を沸かす(夏場なら氷?)
  • フィルムピッカーでパトローネに入ったフィルムを引っ張り出す。ダークバッグに現像タンク、リール、フィルム、はさみを入れて閉じ、フィルムをリールに巻きつけて終端を切り、現像タンクに入れ、中ぶたを閉じる(遮光する)
  • 水を張った桶に薬品のボトル、現像タンク、温度計を入れる。液温管理はこの桶の水で行う。

パターソンのリールへのフィルムの巻きつけ方は、こちらの映像が参考になりました。

現像と乾燥

現像タンクと現像薬品

  1. 現像 (時間は現像液とフィルムによる)
    現像液をタンクに入れ、最初に30秒撹拌、[50秒停止・10秒撹拌]を繰り返し、終了15秒前に現像液排出(またはボトルに戻す)。
  2. 停止 (30秒)
    水をタンクに入れ、10秒撹拌、10秒停止、10秒撹拌。水を排出。
  3. 定着 (3分)
    定着液をタンクに入れ、最初に30秒撹拌、[30秒停止・10秒撹拌]を繰り返し、定着液をボトルに戻す。
  4. 洗浄
    水をタンクに入れ、5回反転して水を入れ替え。10回、20回で繰り返し。
  5. 乾燥
    フィルム上端をフィルムクリップで留め、吊るす。フォトスポンジでムラの無いように上から下に拭う。フィルム下端にオモリになるものを留める。乾燥が完了したら、適当なコマ数で切ってネガシートに入れる。

わかったこと

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  • 若いコマのフィルムの上辺が少し感光している。現像タンク内での遮光が完全ではなかったかもしれない。
  • この時期に自然乾燥させるとフィルムにかなりきついカールがかかる。風呂に少しお湯を張って湿度を上げると改善した。
  • 乾燥時にフィルムの拭い方が雑だと、フィルム上に水滴の跡が残り、しかも乾燥するまで非常に時間がかかる。フォトスポンジを均一に押さえて拭う必要がある。水滴防止剤か、蒸留水+アルコールを使った方がいいかもしれない。
  • フィルムの乾燥はクリップつきのハンガー(上の写真)で十分だった。オモリは普通の洗濯バサミでいい。フィルムクリップいらない。
  • Silversaltの記事を参考に、停止液の強度を使用前と使用後でテストしてみたが、クリアタイムに変化はなかった。ただし5本使用後はわずかにフィルムの透明度が落ちているようだ。
  • パターソンの現像タンクの蓋が固くて閉めるのにコツがいる。指が痛い。

現像を終えて

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今回現像したフィルムは、Kodak TRI-X 400が3本、ILFORD XP2が1本、Rollei RPX 400が1本の計5本。最初にTRI-Xを一本ずつ3回に分けて、最後にXP2とRPX 400をまとめて現像しました。XP2はカラーネガ現像できるモノクロフィルムですが、普通にモノクロ現像しても問題ないようです。

規定の現像時間(4:45)では、やや現像不足に感じられたため、2回目では現像時間を1分長めに取りました。また現像液は使い捨てにせず再利用したので、現像液の疲労度合いを考えて、以降の現像時間は30秒ずつ長くしました。すなわち

  • 1回目 4:45
  • 2回目 5:45
  • 3回目 6:15
  • 4回目 6:45

となりました。2回目以降のネガの濃度は問題ないようです。

昼の13時に始めて、洗浄まで終わったら17時になっていました。なかなか時間のかかる作業ですが、自分の手で写真を作っていく面白さがあります。最初の3回は1本ずつ現像したこと、試行錯誤しながらだったことを考えると、次回は半分くらいでできると思います。


2015/11/28 初出
2015/11/30 概要を追加
2016/03/09 リール巻き取り映像のリンクを追加